2009年3月8日日曜日

職人と職人

現場でのある日の一場面。ガーデンテラスは「佐久鉄平(石)」の乱張り。備前焼のように焼きしまった・窯変のある赤みの強い一枚の大きな鉄平を前に石職人と庭職人が,色味の美しさ,その大きさ,さてどこに使うのか,石の加工の仕方などなど・・・・話し合っていた。材料を使う時にも美的な感覚が大事。完成後に利用者の大半はそんな事を知る事も,足元に広がる美しさに気づく人もいないかもしれない。それでも手を抜く事無く石を一枚いちまい愛でる様に調べ,大切に使って仕上げていく。彼らからは,その仕事を評価する人間がいなくても,自分自身が納得できない仕事はしたくない,同業職人に見られた時に笑われたくない,という姿勢が伝わって来る。まさにこれはプライド。優れた職人同士互いの仕事に対して決して口に出さないがきっちりと評価している。評価すると言うことは,他の職人が仕上げた仕事を大切にする,自分と他者が仕上げる箇所に気を配る,他者の作業の支障とならないように身の回りに気を配る,結果として現場監督がいなくともいいものづくりとなる。今,私たちの周りからこんな優れた職人がどんどん消えていく。特に今の建築現場にはもういない。市民ガーデンに来られたら是非,足下のテラスにも目を向けて下さい。良い仕事が見えますよ。(K)

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